【共通コンテンツ】GAとGA4はどこが違うの？

GA4（Google Analytics 4）と従来のGA（Universal Analytics、UA）には、データ収集や分析方法、機能面でいくつかの重要な違いがあります。本記事では、2つの主な相違点を説明します。

1.データ収集方法の違い

GA4

イベントベースのデータ収集モデルを採用しています。ユーザーの行動（ページ閲覧、クリック、スクロール、動画の再生など）を「イベント」として追跡し、ページ単位ではなく個々の行動を細かく把握できます。これにより、ユーザーの行動に応じた詳細なデータ収集が可能です。

従来のGA

ページビューやセッション単位でデータを集計する「セッションベース」モデルです。各セッションの中でのページ移動やユーザー行動を主に追跡しており、ユーザーがどのページをどのように移動したかに重点が置かれていました。

2.トラッキングIDとプロパティの違い

GA4

「G-XXXXXXX」のような新しいトラッキングIDを使用します。ウェブとアプリのデータを一つのプロパティで一元管理でき、クロスプラットフォームでの分析が容易です。

従来のGA

「UA-XXXXXXX」のトラッキングIDを使用し、ウェブとアプリのデータは別々のプロパティとして扱われます。

3.分析指標の違い

GA4

「エンゲージメント」「エンゲージメント率」「エンゲージメント時間」など、ユーザーの行動に焦点を当てた新しい指標が導入されています。

とくに、アプリやウェブサイトでの行動を統合的に評価するため、コンバージョン（重要な行動）やリテンション（継続利用）など、ユーザーのエンゲージメントをより深く分析できます。

従来のGA

「直帰率」「ページビュー」「セッション」など、主にセッションごとの指標が中心で、サイト内の動きや滞在時間に重点が置かれていました。

4.ユーザートラッキングの改善

GA4

Cookieに依存せず、機械学習やユーザーIDの使用によるクロスデバイスのトラッキングが可能です。これにより、デバイスを跨いでの行動の一貫性が高まり、精度の高いユーザー分析が実現されています。

従来のGA

主にCookieベースでユーザーを識別していましたが、デバイス間での行動追跡は困難でした。

5.分析機能とレポートの違い

GA4

新しい「探索（Explore）」機能により、カスタムレポートの作成やデータの深堀りがしやすくなりました。たとえば、「パス解析」や「セグメントオーバーラップ」などが可能で、ユーザー行動の詳細な分析に役立ちます。

また、機械学習による自動インサイト機能が追加され、異常値やトレンドを自動的に検出することができます。

従来のGA

定型レポートが中心であり、カスタムレポートの作成には制約がありました。より詳細な分析には、別途Google Data Studioなどの外部ツールと連携する必要があることが多かったです。

6.イベントトラッキングの容易さ

GA4

特定のイベントは自動的に収集される「自動収集イベント」があり、設定不要でクリックやスクロールなどのイベントを追跡できます。カスタムイベントもGA4のインターフェースで簡単に設定できます。

従来のGA

カスタムイベントの設定には、タグマネージャーやコードの編集が必要であり、トラッキング設定が複雑でした。

7.プライバシー対応と将来性

GA4

プライバシー規制への対応が進んでおり、IPアドレスの収集もデフォルトで無効になっています。

また、GA4はCookieに依存しないデータ収集が可能で、将来的なプライバシー規制の強化にも対応できるよう設計されています。

従来のGA

Cookieに依存しており、ユーザーのトラッキングに制約があるため、将来的なプライバシー規制の影響を受けやすいとされています。

まとめ

GA4は、従来のGAと比べ、イベントベースのデータ収集モデル、クロスデバイスのトラッキング、機械学習を用いた自動インサイト機能など、ユーザー行動をより深く、かつ包括的に理解できるツールへと進化しています。

また、Cookieに依存しないトラッキングやプライバシー対応の強化により、今後のデータ分析環境の変化にも対応できる設計になっています。