2.自社の事業目標と採用の関係を考える

採用計画を立てる前に、自社の事業目標と採用の関係を考えることが重要です。事業目標とは、会社が目指している成果や成長の方向性を示すものです。

事業目標に基づいた採用活動を行うことで、企業は必要なスキルや経験を持つ人材を効果的に確保しやすくなり、組織の強化に役立ちます。目標が明確であれば、採用計画の各段階で迷わずに方針を決定でき、採用の進捗状況も把握しやすくなります。

隈本稔

ここでは、事業目標と採用の関係をどのように考え、適切な人材を見つけるためのポイントを説明します。

事業目標と採用活動を連携させるためには

事業目標によって、どのような人材が必要かが変わってきます。たとえば、売上を拡大したい場合と、新商品を開発したい場合では、求める人材のスキルや経験が異なります。

次のポイントを考慮して、採用計画を立てましょう。

1. どのスキルが必要かを明確にする
2. 採用人数や予算を適切に設定する
3. 採用スケジュールを目標に合わせる

1. どのスキルが必要かを明確にする

事業目標に基づいて、必要なスキルや専門知識を把握しましょう。

たとえば、新たなマーケットへの進出を目指している場合、営業力やマーケティングのスキルが求められます。一方、製品の品質を向上させたいなら、技術的なスキルや製造経験が重視されます。自社の目標に合わせて、どんなスキルが最も重要かを明確にすると、採用活動が効率的になります。

さらに、スキルをリストアップする際には、長期的な目標を視野に入れることも大切です。たとえば、現在必要なスキルだけでなく、今後の市場動向や技術の進化に対応できる人材を採用することで、将来の成長にも備えることができます。

2. 採用人数や予算を適切に設定する

目標の達成にはどのくらいの人手が必要か、また、どれだけの予算を採用に割けるのかを考えましょう。

たとえば、短期間で売上を伸ばすために複数名の営業担当を採用する必要がある場合、その人数に応じた予算を確保する必要があります。逆に、少人数で効率的に目標を達成する場合は、予算の範囲内で質の高い人材を見つけることが求められます。

採用人数と予算を設定する際には、採用プロセスにかかる費用も考慮しましょう。たとえば、広告の費用や面接にかかるコスト、リファラル制度を導入する場合の報酬など、採用に関する全体的な予算を把握しておくことで、採用活動がスムーズに進むようになります。

3. 採用スケジュールを目標に合わせる

事業目標の達成期限に合わせて、採用スケジュールを計画します。目標達成に必要な人材が早急に必要な場合、採用活動を早めにスタートし、短期間での採用が必要です。一方、長期的な目標であれば、ゆっくりと人材を選考する余裕もあるため、タイミングを調整しながら計画的に進めましょう。

また、採用スケジュールの中には、面接日程や最終的な決定時期も含めることが重要です。たとえば、採用プロセスの各ステップにかかる時間を見積もり、採用活動が滞らないようにすることで、必要な時期に必要な人材を確保することが可能になります。

事業目標に基づく採用戦略の立て方

事業目標に基づいて、具体的な採用戦略を立てましょう。この戦略には、以下を考慮する必要があります。

• どのような人材が必要か
• どのチャネルを利用して募集するか
• どのようなメッセージでアピールするか

実際に採用計画を立てる際には、以下の3つに着目しましょう。

1. 求める人材像を描く
2. 効果的な募集チャネルを選ぶ
3. 魅力的なメッセージを作

1. 求める人材像を描く

自社の目標に必要なスキルや経験だけでなく、会社の文化に合った人材を求めましょう。たとえば、新しいアイデアを積極的に提案してくれる人や、チームワークを大切にする人など、自社の環境で成果を出しやすい人物像を明確にすることが大切です。

さらに、求める人材像は「ソフトスキル」も含めて検討しましょう。

2. 効果的な募集チャネルを選ぶ

求める人材に合わせて、最適な求人チャネルを選びましょう。たとえば、専門的なスキルを持つ人材を探している場合は、業界特化型の求人サイトやSNSの活用が有効です。パートやアルバイトの募集であれば、地域に密着した求人サイトや、口コミを活用する方法もあります。

また、ターゲット層に合わせて、複数のチャネルを併用することも効果的です。たとえば、SNSを通じて若年層にアプローチしつつ、業界誌やイベントで経験豊富な人材を引きつけるなど、チャネルの特性に応じた戦略を練ることで、幅広い層からの応募を促進できます。

3. 魅力的なメッセージを作る

事業目標とその達成に貢献する役割を説明し、魅力的なメッセージで応募者に伝えましょう。たとえば、「急成長中のビジネスで新たな挑戦をしたい人を募集します！」といったメッセージを使用することで、意欲的な人材を引きつけることができます。

さらに、メッセージには、自社が求める人材に向けた具体的なアピールポイントを含めましょう。たとえば、柔軟な働き方が可能な職場であることや、成長機会が豊富であることなど、求職者が応募を決意するための要素を盛り込み、興味を引く内容にします。

まとめ

事業目標と採用活動は密接な関係にあります。目標に応じて求めるスキルや人数、採用スケジュールを計画し、それに基づいて採用戦略を立てることで、必要な人材を効果的に確保できます。

自社の目標に合わせて採用計画を練り、採用活動を通じて、目標達成への一歩を確実に踏み出せる人材を見つけましょう。